ビレッジ・ヴァンガードでは、Art Farmer Quintet (Don Braden、Geoff Keezer、Kenny Davis、Carl Allen)をやっていた。Art Farmerは、ハードバップスタイリストで、Horace Silverのサイドマンだった事もある。彼の音楽は聴いた事がなかったので楽しみにして行ったが、さすがに上手かった。
Art Farmer は「きっと観客なんて、どうせ良く分かってないんだから」と心の中で思いつつも、つい観客に期待してしまうような憎めない人だった。ユーモアもあって、長年ペットと共に生きてきたんだなあと感じさせるような余裕がある。最後に「リクエストはない?」と彼が言って、観客の誰かが、『TGTT』と叫んだ。彼は、「オーケー」と言い、『TGTT』とは『Too Good To Try』という意味だ」と言った。いい曲だった。
その後、いつもColtraneの息子のRaviがプレイするZinc Barに行った。Coltraneが尊敬するRavi Shankarからもらった名前。先日行った時とは違い、人が多かった。George Bensonやその他のビッグネームも来ていて、凄い熱気だった。ドラムもベースも最高で、基本的にはギターのトリオだったが、ジャムセッションのようにギターが次々と替わってプレイをしていた。
私は、Rodney George (or John)とか何とか言う人のプレイが好きだった。落ち着いているけど、ちゃんとテクもあるし、人柄がめちゃくちゃいい。ドラムも、ギターをサポートして盛り上げるのが非常に上手い。しかもベースは、タイムキーピングがきっちりしているので、ドラムがあれだけ遊んでも安心して聴ける。ベースの音がファンキー系で凄く良かった。(1996年2月19日)