文:長野弘子
長期化するブラウザ法廷闘争
マイクロソフトと米司法省の争いが泥沼化している。同社OSのWindows 95に同社ウェブブラウザInternet Explorer(IE)をバンドルする行為は1995年の司法命令に違反しているとして、司法省は10月20日同社を連邦裁判所に提訴した。司法省とマイクロソフト間で結ばれた同合意では、同社がOS市場での独占的な地位を濫用して別の同社製品をOSにバンドルして提供することを禁じている。これに対してマイクロソフトは11月11日、正式に上訴し、少なくとも現時点ではブラウザをOSから外す意志はまったくないことを明らかにした。司法省ではさらにこれに対抗し、11月20日、マイクロソフトの違法性を証明すると称する文書を公開して強力な反撃を加えた。
長期化が予想されるこの法廷闘争も、その争点は同ブラウザがOSの一部か別製品かという一点に集約される。マイクロソフトはブラウザがOSの一部だと主張、司法省は 2つは別製品であり司法合意に違反していると一歩も譲らない。解決の糸口は現在まだ見つかってはいないが、先述の司法省が発表した文書では、この2つのソフト開発がまったく独立したものであることを証明するマイクロソフト幹部間の電子メール・メッセージなども含まれており、これが司法省に有利に働く可能性が高い。今後の予定では、12月5日に米地方裁判所で次回審問が行われることになっている。(1998年2月号)
「100%純正Java」は実現するか
次世代言語のJavaをめぐるサン・マイクロシステムズとマイクロソフトの攻防が訴訟問題にまで発展した。10月7日、サンはマイクロソフトのウェブブラウザ、 Internet Exploror 4.0(IE 4.0)と同社ソフトウエア開発キットのJava実装がプラットフォーム間の互換性に欠けるという理由で、マイクロソフトを契約違反で訴えた。この突然の訴訟は業界を揺るがす大事件となり、両社の交わしたJava契約内容の公開を求める業界関係者の要求に応えて両社は10月16日、1996年に交わされた同契約をそれぞれのウェブサイトで公開している。
今回の訴訟は、Javaに対する両社の思惑の食い違いが表面化したものだといえる。サンは、Java環境が次世代インターネット環境のオープン・プラットフォームになることを目指して「100%純正Java」を訴えており、一方のマイクロソフトはディファクト・スタンダードである同社OS環境だけでJavaアプリケーションも動作すればいいという考え方だ。なお、サンは11月19日、マイクロソフトが現在使用しているJava互換を証明するロゴ使用を中止させるための差し止め訴訟を米連邦地方裁判所で起こしている。(1998年2月号)
電話線をまとめるボンディング技術
高速通信を実現する技術に、通常のアナログ電話回線2本をまとめるボンディング技術の導入があげられる。今年4月にはランプ・ネットワークが3本の電話回線をまとめることができるルータ製品「M3」を、11月にはダイヤモンド・マルチメディアが同様な技術を発表、またスリーコムが最大400Kbpsを達成するルータ製品を発売した。また、モデム製品の発表も相次いでおり、11月初めにはイスラエル企業のスマートリンクが最高112Kbpsを達成する「MODIO112X」を発表した。ボッカ・リサーチもランプ技術を採用した300ドル前後のモデムを12月に発売する。しかし、これらの製品を使用した場合のISPサービス料金はまだ未定であり、2回線分の料金を支払う可能性もあるという。今後の料金設定がこれらの製品を普及させる鍵になりそうだ。(1998年2月号)
DVD-ROMが1999年の主役
11月12日のインスタット最新調査によると、1999年にはDVD-ROMドライブの出荷台数がCD-ROMドライブに迫るものと予測されている。今年のDVD-ROMの出荷台数はいまだに100万台に達していないが、1998年には同数が1090万台にまで増加する見込み。これはパソコンに搭載されるDVD-ROMドライブ数が急増しているためで、実際に今秋のハイエンド機の多くはCD-ROMドライブではなくDVD-ROMドライブを搭載している。また、2000年-2001年頃にはCD-ROMドライブの出荷が減少する一方でDVDドライブの出荷が急増し、前年比でそれぞれ2000年に71%、2001年に44%増加すると見られている。さらに書き込み式DVDドライブの普及も広がり、2001年にはDVDドライブ全市場の3分の1以上が書き込み式DVDドライブで占められると見られている。(1998年2月号)
1GB記憶デバイス、サイクエストから登場
記憶デバイスの大容量化が進むなか、750メガバイト容量を実現するノマイの「750.c」、1ギガバイトの「Iomega Jaz」に対抗して、サイクエストでは「SparQ」を発表した。同製品は1ギガバイトのリムーバブル記憶デバイスで、ドライブは199ドルで販売され、カートリッジも1枚39ドル(3枚組で99ドル)と1枚129ドルのJazカートリッジより大幅に安い。同ドライブに7つのカートリッジを追加して8ギガバイトの記憶容量を確保した場合、コストは8.4ギガバイトのマクスター製ハードディスク・ドライブ「Diamond Max 2160」より61ドル安く、SCSI外付け型「Jaz」より652ドルも安くすむ計算になる。(1998年2月号)
アップルの新オンライン販売戦略
あらゆる手段を使ってアップル製品の購入を簡単にするという流通戦略の再建を図るアップルでは、11月10日からオンラインでの製品販売を開始した。このサイト「The Apple Store」(http://store.apple.com/)は、営業開始からわずか12時間で 440万件のヒット数を達成し、総額50万ドル以上の売上を記録した。同サイトで製品を購入するユーザーは、BTO (受注組立方式) によりカスタム設定されたMacを購入でき、小売店では受けられないサービスが受けられる。今後発表される製品にはすべて BTO販売が適用され、これにより同社が長年悩まされ続けてきた在庫の過不足は解消すると見られている。しかし、危機感を募らせる小売業者との関係も考慮して、アップルは同サイトでの販売はすべて定価で行っている。 (1998年2月号)
Posted by hiroko at September 21, 2001 01:23 PM | TrackBack