
早稲田大学で10月5日、「イラク国際戦犯民衆法廷」(ICTI)を実現させるための発足会議が開かれた。ICTIは、イラク戦争を導いた米英のトップであるブッシュとブレアを裁くための法廷だ。今日からこの民衆法廷プロジェクトが始動し、ブッシュとブレアの犯罪を追求するために、証拠や証人を集めていくことになる。
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呼びかけ人はアラブイスラーム協会のジャミーラ高橋さん、スピーカーは、ジャーナリストの浅井健治さん、IDAO(占領に反対するイラク民主主義者同盟)のムニール・チャラビさん、東京造形大学教授の前田朗さん、LAAW(戦争反対法律アクション)のクリス・カバーデイルさん、広島平和研究所教授のクリスチャン・シュラーさん。
英NGO LAAW(戦争反対法律アクション)のクリス・カバーデイルさんは、「父ブッシュが起こした1991年のイラク湾岸戦争以来、数百万人におよぶイラク市民が虐殺されており、国際刑事裁判所(ICC)規程に違反しています。この犯罪を国際協力によって裁くことが必要です」と語った。
ICC規程(ローマ規程)は、特定の民族や集団に危害を加える集団虐殺(ジェノサイド)や、紛争の起きている地域で拷問や虐殺を行った人など、戦争犯罪を犯した個人を捜査し、起訴することができる規程だ。ICCは、こうした個人を裁く歴史上初めての常設の国際法廷であり、2003年に国際司法裁判所(設置済み)と共にオランダのハーグに設置されることになっている。
カバーデイルさん によると、英国政府は今回のイラク戦争で、近代史上最悪の犯罪を犯し、ICC規程2001の51項および52項に違反するとしている。たとえば、クラスター爆弾は、建物や兵器を破壊するための爆弾ではなく、人を殺傷するためだけに設計された爆弾であり、放置された爆弾は数年先まで人を殺し続けるという。「大量殺戮兵器を破壊するためではなく、人間を破壊するための兵器を英国政府は使ったことになるのです。これは、無差別殺人です」
また、3000トンもの劣化ウラン弾の使用により、イラク南部がひどく汚染されたことや、米政府トップと石油利権についての詳細な説明もふまえて、「真の悪の枢軸は、ワシントンと英国政府ーー彼らこそが犯罪者なのです」と訴える。彼の講演は過激に聞こえるが、実際には法と正義を繰り返し強調し、事実にもとづいて語りかける、きわめて論理的な内容だった。国際法に明記されてことがいかに守られていないか、つくづく考えさせられた。ちなみに、日本はICC規程に批准どころか署名さえしていない。

また、広島平和研究所教授のクリスチャン・シュラーは、彼の所属する研究所教授としての立場から話しているのではないと断わりながらも、イラクで行われていることは広島の原爆投下と同じくらいひどいことだとし、虐殺をやめさせなければならないことを訴えた。また、人道的な視点に立ち、世界的な反対運動の波を広げていくことの重要性を語った。
IDAO(占領に反対するイラク民主主義者同盟)のムニール・チャラビさんの話は、遅れて行ったので聞き逃した。資料から抜粋すると、「イラク統治協議会」は米国が氏名した実権のない機関であるとイラク人の間で思われていること、ポール・ブレマーは反アラブ、反モスリムのシオニストであること、また、イラクでの死者数は毎日100人で、そのうちの半数は占領軍に殺されたものでありながら、彼らは戦争被害として公表もされないとのこと、など。
チャラビ、カバーデイル、そしてシュラーさんの3人ともに強調していたのは、イラクで現在も続いている集団虐殺だ。米国のテレビでは連日のように「イラクの民主化、イラク人の解放」という一面的な報道を流しており、イラク人のケガ人や死者の映像を映すことは自粛されている。しかし、それでは、イラクで実際に何が起こっているかを知ることはできないだろう。じゅうたん爆撃やクラスター爆弾の直接の被害者だけではなく、劣化ウラン弾による被爆、奇形児や白血病の急増、また水不足、食料不足による生活環境の劣悪さ、餓死、物資の略奪、治安の悪化など深刻な問題が次々と生まれている。
今後は、イラクで現在も行われている虐殺、占領をやめさせるために、英国、ブリュッセルでの民衆法廷の動きと連携して行動を進めることになるという。「戦争犯罪者は多数いるので、誰にターゲットを絞るのか?」という問いに関しては、1991年の湾岸戦争を裁いたラムゼイ・クラークの判決(1992年)以降から調査をするとのこと。
質疑応答では「ブッシュやブレアだけではなく小泉も裁けないのか?」という質問が出て来た。前田朗さんは「会場から拍手が起こったということは、おのずと答えが出てますよね」と語った。自衛隊派遣、そこでイラク戦争に巻き込まれた場合には、小泉首相が被告になる場合があるという。
最後に、法廷運動を進めるうえで巨額の資金が必要になるというので、会場ではカンパを集めていた。確かに、潤沢な政府予算に比べると、彼らの運動はあまりにも小さい。先立つものはお金だとは思うが、会場にはマスコミも少なかったし、日本ではまだイラク戦争やテロはどこか遠い国のことという意識が強いのかもしれない。しかし、この動きがもっと大きくなり、世界規模で同じような運動が沸き起これば、政治家だけではなく、ジャーナリストや知識人も含め、戦争に加担したと見られる多くの人々が裁かれることになるかもしれない。
オランダのHagueに設置されたUNのInternational Criminal Courtは、2002年4月に正式に承認されたRome規定に基づいて立ち上がりました。
http://www.icc-cpi.int/php/index.php
Rome規定のInternational Criminal Courtについて
http://www.un.org/law/icc/
しかしアメリカはイラク侵略以前からICCの設置に対して反対し、裁判官を出す条件も受け入れていませんでした。そして訴えの対象となることからの免除を獲得しています。
それとは別に、93年に設置されたベルギーの戦争犯罪法には国籍に関わらず戦争犯罪者をベルギー人がベルギーの法廷に持ち込むことで裁ける規定がありました。そのためイラク侵略が始まった後、5月にアメリカ軍のトミー・フランクスを戦争犯罪者としての訴えがイラク人19人の代理となるベルギー人法律家によって起こされました。
http://www.guardian.co.uk/usa/story/0,12271,983854,00.html
しかしアメリカは、イギリスとスペインとともに、このベルギーの法律に対して異議を唱え、NATOへの非協力姿勢を見せるなど様々な圧力をかけて来たため、ベルギー議会は2003年8月にこの法律を改正せざるを得なくなりました。新しい戦争犯罪法では、被害者がベルギー国民か長期的住民であることが条件となっていますが、世界的なリーダーは対象から免除される条件も加わっています。ベルギーの外務大臣は上院での説明で「崇高な根拠で作られたこの法律は政治的操作の標的となった。」と遺憾を表明したといいます。
http://www.nytimes.com/2003/08/02/international/europe/02BELG.html
アメリカ中心のUnirateralismを押しつけてくる現ブッシュ政権には腹立たしい限りです。ティモシー・マクベイをlethal Injection で裁いたのなら、捏造した理由を元にもっと多数の人々の殺戮を指示した人間は裁かれる以前から同様の刑を受けるべき犯罪者でしょう。UNのICCでなら今でも原理的には周辺関与した人物は裁けるのだと思います。しかしあくまで規定に従うなら、首謀者を裁くには任期後まで待つことになるのかも知れません。
If you have any more photographs of Chris Coverdale (LAAW) please email them to me.
Thank you
Email for photographs for LAAW in Japan editor@laaw.org
Posted by: Lisa at October 23, 2003 11:43 PM