掲載媒体:NIKKEI NET (1/27/2004掲載)
先週は、米大統領選挙の前哨戦となる民主党の党員集会がアイオワ州で幕を開けた。ニールセン//ネットレイティングスの調査によると、候補者情報の収集にネットを利用する人が増えており、ブッシュ陣営および民主党の候補者ハワード・ディーン氏のサイトには、昨年12月だけで約130万人もの人が訪れたという。そのディーン氏の政治集会に利用され話題を呼んだ新しいスタイルの出会い系サイト「ミートアップ」は、ビジネスや政治上のつながりを促進するサービスで、「ソーシャルソフト」とも呼ばれている。今回は、ソーシャルソフトと、今年IPOが予定されているグーグルを中心とした検索エンジン関連の記事を4本取り上げた。(長野弘子/ITジャーナリスト)
■グーグル社員、出会い系サイトを開設(1/23 CNET)
グーグルのUIデザイン担当エンジニア、オークト・ブユコッテン氏は1月22日、新たな出会い系サイト「オーカット」(http://orkut.com/)を立ち上げた。同氏はスタンフォード大学の在学中に、オーカットによく似た、学生間の交流を深めるためのサイト「インサークル」(http://incircle.stanfordalumni.org/)を開発している。グーグルによると、同社は出会い系市場に参入する計画はないとしており、このサイトも同社のサービスとしては提供しておらず、あくまで個人のプロジェクトとしている。しかし、このサイトに関連する技術はグーグルが所有しており、今後はグーグルのサービスとして提供される可能性も十分にありうる。グーグルでは実験的なサービスを次々にβ版として登場させ、「グーグル・ニュース」(http://news.google.com/)のように個人のプロジェクトとして始まったサービスが、多数のユーザーを獲得するようになることも珍しくない。オーカットの今後の動向に注目したい。
■ 出会い系と検索エンジンの相性はいかに?(1/22 eWeek)
検索エンジンと出会い系を組み合わせた新しい検索サイト「ユーレックスター」(http://www.eurekster.com/)が、1月21日に開設された。通常の検索エンジンのようにアルゴリズム検索された検索結果は、特定のグループが関心を持っている内容にもとづいてランクづけされる。たとえば、ユーザーがどのサイトで一番長い時間を過ごしたかを記録し、滞在時間順にランクが決まるといった具合だ。これにより、自分と価値観が似ている人々が有用だと考える情報に速くたどり着くことができる。また、グループ内の誰かが信頼性が高いと考えるサイトをアイコンで示すことも可能。さらに、ユーザーは電子メールで匿名で連絡を取り合い、特定の話題に関しての情報交換を行うことができるという。同社はオーバーチュアと契約し、スポンサーリンクを掲載することで収益を上げる予定。
■グーグル、電子メールサービスを計画か(1/19 ロイター)
グーグルが、ヤフーやMSNと真っ向から競合する電子メールサービスの提供を予定していることを、情報筋が明らかにした。同社は、自社をポータルサイト化する考えを否定してきたが、比較購入サイトの「フルーグル」やニュースサイトの提供など、総合サイト的な側面をより強めつつある。さらに、電子メールサービスに参入することで、ユーザーとの結びつきを一層深めるだけではなく、同社の大きな収入源であるキーワード広告をメールサービスにも組み込むことが可能になる。グーグルは昨年、メール開封時に広告をリアルタイムで表示する技術を開発したスプリンクス社を買収した。これにより、メール開封時に、鮮度の高い広告を表示させることが可能になる。コンテンツページのキーワードを広告と結びつける「アドセンス」サービスは、すでにメールニュースにも掲載されており、スポンサーリンクが検索結果ページを超えて、コンテンツページやメールにも表示されるようになっている。今後、同社がスパムフィルターなどの付加価値サービスを提供すれば、ヤフーやMSNの同様サービスへの大きな脅威にもなりうるだろう。
■データベース複製防止法案、米委員会を通過(1/22 Slashdot)
米下院司法委員会は1月21日、データベースの複製防止を目的とする法案を16対7で承認した。この法案は、音楽や映画などの著作権つきのコンテンツに与えられるのと同レベルの保護をデータベースにも与えるというもので、ハイテク業界で波紋が広がっている。データベース保有者は、データベースに含まれた情報の相当量を他者に商用目的で提供した人物を民事法廷で訴える権利を持つことになる。仏トムソン、レクサスネクサスを所有する英リード・エルゼビアなどは、自社の持つ専有データベースを保護するために同法案が必要と法案を支持しているが、グーグルやアマゾン・コム、ヤフー、ISP各社などの企業は、新たな法案を成立させるに十分な必要性が示されていないと反発している。