日経ニュース&レビュー海外編
(4/6/2004 Nikkei IT News)
先週は、アイデアを凝らしたエイプリルフール・ジョークのメールやニュースが飛び交った。IT業界でもっとも話題を呼んだのは、グーグルの「月面に設立予定のグーグル施設」というジョークだが、ジョークではなく事実でそれ以上の注目を集めたのが、1人につき1ギガバイト(GB)が与えられる「Gメール」の発表だ。実際のサービスなのだが、あまりに大容量なのでジョークと思われたのかもしれない。いずれにしても、検索エンジンが影響力を強めるなか、今年IPOが囁かれているグーグルにはさらに注目が集まるだろう。そこで、今回はグーグルの新しいサービスを2つ、そのほか、著作権のある作品をファイル交換ソフトで共有することは合法というカナダの判決、パスポートや搭乗券にも無線ICタグが組み込まれようとしている動きを取り上げた。(長野弘子/ITジャーナリスト)
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■グーグル、1Gバイトの「Gメール」発表(4/1 ロイター)
グーグルは4月1日、1ギガバイト(GB)の無料ウェブメール「Gメール」(https://gmail.google.com/)のベータサイトを公開した。50万ページ以上のメールを保存できるほか、メールは送信者や件名別など内容に応じて整理され、ウェブ検索と同じやり方で検索することができる。これにより、長時間かけてメールをフォルダに振り分ける必要も、容量不足でメールを削除するといった必要もなくなる。
ヤフーやMSNなどの大手ポータルで提供する無料ウェブメールのほとんどが容量は4.06メガバイト(MB)と少なめで、100MB以上の容量を利用するためには年間使用料で50ドル前後を支払う必要がある。Gメールは容量や機能面で優位に立つことが予想される。さらに、Gメールにはキーワード広告を表示させることで、広告売上を大幅に伸ばす狙いもある。
グーグルでは今年後半にIPOを行う可能性が強いとされている。そこで今後のライバルとなるヤフーやMSNと対抗するため、ポータル化の動きを進めている。現在、Gメールは限られたユーザーによるプレビューテストの段階だが、今後のサービス展開を期待したい。
■グーグルのパーソナライズ検索、ベータテスト開始(3/30 InfoWorld)
グーグルは、検索結果をユーザーの嗜好性に応じて表示するパーソナライズ検索機能「パーソナライズド・ウェブ・サーチ」(http://labs.google.com/personalized)のベータサイトを立ち上げた。この新機能はユーザーの住む地域や年齢、嗜好性により、ユーザーの求める情報に近い検索結果を表示するというサービス。ユーザーはカテゴリーをクリックすることで、児童や10代向けのコンテンツ、地域情報、好きな音楽などを選択することができる。
検索結果は、ユーザーが作成したプロフィールにより変化し、検索結果の上部につけられたパーソナライズ・バーを右側に動かすことで、より自分のプロフィールに近い検索結果を表示することができる。
また、グーグルはパーソナライズ検索の登録ユーザーに検索結果を電子メールで送信する「ウェブアラート」(http://www.google.com/webalerts)を同時に立ち上げ、特定のトピックを追跡して検索結果をメールで送信するサービスも開始している。
■カナダで「ファイル共有は合法」との判決(4/1 CNET)
カナダの連邦裁判所は3月31日、著作権のある作品をファイル交換ソフトで共有することは合法であるという判決を下した。同判決によると、インターネットからの音楽ファイルのダウンロード、および音楽ファイルをインターネット上の共有フォルダに入れることは、カナダでは合法であるという。世界中でファイル交換ユーザーをめぐり訴訟問題が起きているなか、カナダの判決は音楽業界に衝撃を与えるものとなった。
米国ではすでに全米レコード協会(RIAA)が1500人以上を訴えており、国際レコード産業連盟もイタリア、ドイツ、デンマークなどで247件の訴訟を起こしている。この判決が効力を持つのはカナダ国内だけだが、今後ファイル交換ネットワークのサーバーがカナダに移される可能性もある。
数日前の29日には、ファイル共有ネットワークとCD売上減少には明確な関連性はないという調査が、ハーバードビジネススクールとノースカロライナ大学により発表されており、今後も音楽業界とファイル交換サービスの争いは続きそうだ。
■米政府、無線ICタグ付きの搭乗券を検討(4/4 Hotwired)
米運輸保安局(TSA)は空港にいる乗客を追跡するシステムとして、無線ICタグを使った搭乗券の導入を検討しているという。このシステムは、「登録渡航者」プログラムに参加した乗客が無線ICタグ付きの搭乗券を使うことで、検査のいらない特別ルートを進むことができるというもの。TSAでは、人々がどこにいるかを把握でき、セキュリティーが強化されるとしている。ただし、プログラムに参加するためにはTSAに詳しい個人情報を提供しなければならないため、プライバシー擁護団体は懸念を募らせている。
現在、国連の国際民間航空機関(ICAO)でも、パスポートへのバイオメトリクス情報と無線ICタグを義務づける計画を進めており、個人情報が国境を越えて共有されることへの不安が広まりつつある。プライバシーポリシーを明確にするとともに、実装レベルで個人情報保護対策を施してほしいものだ。
Posted by hiroko at April 7, 2004 11:16 AM | TrackBack