日経ニュース&レビュー海外編
(4/6/2004 Nikkei IT News)
先週は、アマゾンが開設した新たな検索サイト「A9」が大きな話題を呼んだ。グーグルのアドワーズやフルーグルにより、検索から商品購入にいたるまでのプロセスが短縮され、検索エンジンが商品購入ポータルとしての役割を強めている。アマゾンは他のオンライン小売店だけではなく、グーグルも競合企業として視野に入れる必要に迫られているだろう。また、IBMの新たなビジネスプロセスアウトソーシングにおける挑戦、RSSフィードをテキストだけではなく画像や映像にも利用するニュースゲイター、脳に直接埋め込むチップの臨床試験を米政府が認めたニュースを取り上げた。
(長野弘子/ITジャーナリスト)
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■アマゾン、グーグルに対抗して検索サービス開始(4/16 AP通信)
オンライン小売り企業のアマゾンは14日、自社のサービスを組み込んだ新しい形態の検索サイト「A9」(http://a9.com/)を立ち上げた。アマゾンの顧客アカウントをそのまま利用でき、一般検索のほか、アマゾン商品のみに対象を絞って検索できるのが大きな特徴だ。
キーワードを入力すると、検索結果ページの左側にはウェブ検索結果が、右側にはアマゾンでの検索結果が表示される。さらに、本の何ページ目にキーワードが含まれているか、という全文検索も可能。
ユーザーが商品を購入する場合、ECサイトに直接行くのではなく、検索サイトで商品を探すことが多く、グーグルではすでに商品検索のみを行うサイト「フルーグル」を提供している。こうした状況から、アマゾンも検索の重要性を意識し、グーグルに対抗して自社検索サービスに乗り出したものと考えられる。現在、A9はアマゾンの子会社として運営されているが、この検索技術をアマゾンのオンライン店舗にも導入する予定。
■IBM、テレビ修理サービスに乗り出す?(4/15 CNET)
IBMは今後7年間にわたり、家電メーカー大手フィリップスのテレビや家電製品のアフターサービス業務を代行する契約を結んだことを明らかにした。契約の評価額は推定3億ドルで、業務改善のコンサルティングから、品質保証管理、修理業務にいたるまでをIBMが代行することになる。
企業が人材管理や調達などの業務全般をアウトソーシングすることは、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)と呼ばれており、老舗のEDSやコンピュータ・サイエンスのほか、HPなどが新たに参入している。IBMでは、家電とコンピューターの融合が進んだ現在、家電とデジタル製品の境界線は薄れつつあり、フィリップスとのBPO契約は自然な流れだとしている。
■ニュースゲイター、テレビ向けにRSSフィード提供(4/14 Internet.com)
ニュース集約ソフト企業のニュースゲイター(http://www.newsgator.com/)は、マイクロソフトの「ウィンドウズXP メディア・センター・エディション2004」を使ってネットワークに接続したテレビにRSSフィードを提供する新製品を発表した。ニュース集約ソフトは、ブログやニュースサイトなどで生成されるRSSフィードを収集して提供するソフトで、これまでは主にテキストが主流だった。
今回発表したサービスは、このRSSフィードにビデオフィードも加わったもの。ユーザーはこれまでと同様、購読したいブログやメディアサイトをクリックして登録、更新された記事を読むことができる。また、その記事に映像が含まれている場合には、画面の左側に画像が表示されるので、それをクリックするとストリーミング映像を見ることができる。今後は、RSSが映像や画像といったマルチメディアのプラットフォームとしても利用される機会が増えるだろう。
■脳に直接埋め込むチップの臨床試験へ(4/15 Hotwired)
米食品医薬品局(FDA)は、マサチューセッツ州に本社を置くサイバーキネティクスが脳埋め込みチップの臨床試験を行うことを許可した。同社のチップ「ブレイン・ゲート」は4平方ミリの大きさで、脳性麻痺などの患者の頭蓋骨の下に埋め込まれる。このチップについた小さな突起が、1ミリほど脳に差し込まれ、ニューロン群の活動を監視するという。患者は命令を思い浮かべることで、直接コンピューターに指示を出せるようになるとのこと。
にわかには信じがたいが、こうした研究は学術レベルでは盛んに行われている。1998年には、脳卒中による麻痺患者が脳にチップを埋め込み、それによりコンピューター画面のカーソルを動かして意思表示することに成功した。サイバーキネティクスでは、今後3-5年以内にブレイン・ゲートを市場に投入する意向。