August 03, 2004

米政府も体内埋め込み型タグを検討

○ニュース&レビュー海外編
(NIKKEI NET ITニュースメール 8/3/2004掲載)

 先週、ついにグーグルのIPOオークションサイト(http://www.ipo.google.com)が開設され、全米中で大きな話題となっている。しかし、同社のIPOは明るい話題だけではなく、ヤフーの子会社との訴訟問題などいくつかのリスク要因も懸念されている。また、検索技術の開発に注力しているマイクロソフトが新たな検索エンジンを披露したニュースもあった。グーグルにとってはマイクロソフとヤフーと、検索エンジンおよびキーワード連動型広告分野での激しいトップシェア争いの幕開けとなる。また、ラスベガスで開催されたセキュリティー関連会議「ブラックハット」では、RFID技術に関するセッションが注目を集めた。ICタグが日常のあらゆる分野に浸透するなか、RFIDシステムのセキュリティー保護やプライバシーガイドラインの浸透が重要となるだろう。(長野弘子/ITジャーナリスト)

■グーグル、IPOにリスク要因あり?(7/28 InternetNews.com)

 新規株式を販売するためのオークションサイトを開設し、IPOを目前に控えたグーグルだが、同社のビジネスモデルの根幹を揺るがす大きなリスクが浮上している。それは、収益基盤を支えるキーワード連動型広告に関して、競合企業のオーバーチュア・サービシスがその特許を主張してグーグルを提訴していることだ。
 
 2年前に提訴されたこの訴訟は、米カリフォルニア州北部地区連邦地裁で審理が始まろうとしており、判決によっては賠償金を支払うか、ライセンス契約を結ぶ必要がある。さらに、ライセンス契約を結べない場合には、最悪の事態としてアドワーズの一時停止といった危険性もある。

 グーグルのIPO公開株価は現在108〜135ドルに設定されており、久々の大型IPOに市場の期待は高まっている。しかし、グーグルは人気ソーシャルネットワークサイト(SNS)の「オーカット」のソースコードをめぐっても新興企業と係争中であり、これらの進展状況によっては株価の動向に影響が出ると懸念する慎重派も多い。この裁判の判決が、IPOの動きに大きな影響を与えることは間違いないだろう。


■MSの検索、ウェブとローカルPCの垣根を超える(7/29 ロイター)

 マイクロソフトのポータル部門MSNは、自分のコンピューターとウェブの両方を検索できるツールのデモを初披露した。この技術は、ワードやエクセルファイル、電子メールに関わらず、ハードディスク内のすべての文書の検索ができるもので、ウェブ検索も統合している。同社は、ウィンドウズの次期バージョンである「Longhorn」で同検索エンジンを提供すると見られていたが、Longhornより前に提供される見込み。
 
 アップルコンピュータの次期OS「Tiger」でも同様の検索機能が組み込まれており、ファイル形式の壁、ローカルPCとウェブの垣根が無くなりつつある。また、MSNはグーグルの「グーグルニュース」に対抗し、主要ニュースサイト4800からニュースが検索できる「MSNBC Newsbot」のβ版も立ち上げた。検索機能の向上や、グーグルニュースとの差別化が今後の課題となるだろう。


■ICタグ、クラッカーの未来のターゲットに?(7/29 フォーブス誌)

 先週ラスベガスで開催されていたセキュリティー関連会議「ブラックハット」では、増え続ける無線ICタグが、個人のプライバシー保護上の懸念だけでなく、企業のセキュリティー上も問題があることが指摘された。すでに多くのICタグが物流システムでは利用されているが、ICタグに記録された商品のID情報を書き換えることは、技術者にとって難しいことではないという。
 これまでRFIDリーダーライターが高価だったこともあり普及していなかったが、今後は低コスト化とソフトの規格化により、リーダーライターとソフトを使って店舗のICタグ情報を安い値段に書き換えるといった犯罪が増えてくると予想される。RFIDシステムにおけるプライバシー保護対策とセキュリティー技術の開発が、RFID普及のカギを握っている。


■米政府も体内埋め込み型タグを検討(7/28 CNET)

 米食品医薬品局(FDA)は、体内埋め込み型のICチップを用いて、病院が患者の診察や、医療スタッフの管理に役立てることができるかに関する最終調査を開始した。このICチップは、メキシコの連邦検事長と160人の検察局職員が腕に埋め込んでいるものと同じ米ADSの子会社ベリチップ製。
 1.1センチのICチップに同社のリーダーを近づけると、無線でデータベースに登録されたID番号と照会し、サーバー室などの特定の部屋に入室することができる。同社の基本技術は、数年前から動物でも利用されており、技術面ではすでにFDAはベリチップを承認している。
 今回の調査はプライバシーに関するもので、ベリチップを用いることで、個人情報や機密情報が漏れる危険性はないかを審議する。メキシコ以外にも、イタリアでは今年4月から医療業界で6カ月間のICチップ実証実験を開始しており、世界的なトレンドとなりつつある。導入前の慎重な調査を期待したい。

Posted by hiroko at August 3, 2004 07:06 PM | TrackBack
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