昨日の『XCOOL』のゲストは、デイトレーダーの馬渕"hatch"一さん。番組の様子はHatchさんの日記に詳しい。いつもながら、トレードを科学的な視点でみつめ、勝つための方法論をどんどん構築していくところが凄いなぁと思った。話を聞いていると、自分でもできそうな気がするんだけど、実際やってみると焦ったり判断力がなくなったりして損しそうと思って、なかなか踏み出せないんだよなぁ。。
馬渕さんについて、2000年に朝日パソコンに書いた記事を以下に掲載。あれから4年経っているので日本の状況はまったく変わり、積極的に投資をする人が増えてきた。マネー漫画MIQも出てきたし、マネー関係の書籍はまだ当分イケるのかな?
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証券取引のパラダイムシフトを招くデイ・トレーディング
日本人デイ・トレーダーの第一人者、馬渕一氏インタビュー
文・写真:長野弘子
(『朝日パソコン』2000年掲載)

マイクロソフトのキャンパスから車で5分、美しいワシントン湖の湖岸に、デイ・トレーディング会社プリスティーン・ノースウェストのオフィスがある。2人のアメリカ人とともに、同社を設立したのは日本人のデイ・トレーダーの第一人者、馬渕一氏だ。その日の株の値動きから利ざやを稼ぐデイ・トレーディング(DT)は、証券取引のパラダイムシフトを招く大きなトレンドとして注目を集め、このオフィスにも世界中からの人々を惹きつけている。DTで生計を立てているデイ・トレーダーの実際の生活はどうなのだろうか。同氏のオフィスを訪ねてみた。
●多種多様な人々を惹きつけるDT
馬渕氏は「きっかけは、たまたま友人がやっていたから。オフィスを見学した時、自分の判断ですべてが決まるDTを目の当たりにし、これは凄いと思った」と語る。97年当時、シアトルに唯一存在したデイ・トレーディング会社、オールテックインベストメントでDTとしての経験を積む。最初は失敗もあったが詳細な分析と経験からコツを掴み、2年後には毎日着実に利益を出せるようになった。
DTで得た資金で、マーク・モンゴメリ氏、ジョン・ジェッサム氏とともに、99年11月に会社設立。3人での事業経営は初めてのことで、信頼関係を築くのが大変だったと苦労話を語る同氏は「私はアジア市場、マークはトレーダーのトレーニング、ジョンはビジネス開発と3人の役割が違っていたので丁度うまくいった」と語る。椅子が空いていれば誰でも取引ができるDTは、経験者だけではなくありとあらゆる経歴の人々を惹きつけている。モンゴメリ氏が朝からその日のニュースや留意点を教えるので失敗は少ないという。
●EトレードとDTの違いは「草レース」と「F1」

DTは、Eトレードのような手数料を安くしただけのオンライン証券サイトとは、性質を全く異にする。「DTはNASDAQのコンピュータに直接つながる専用ソフトウエアを使用して行なうため、秒刻みの瞬間の取引が可能になる。Eトレードのようなオンライン証券サイトとDTは、強いて言えば『草レース』と『F1』みたいなものだ」と語る。
しかし、瞬時に大きく変動する株を売買して利益を出すのだから、知識以上に強い意志の力が必要になる。「大きな可能性のあるビジネスだが、株を売買する相手はすべてプロ。何となくできそうな気はしても、専門知識がないとカモられる」と同氏は語る。
カモられないための知識をつけるのが、セミナーだ。馬渕氏は、DTで利益を出すためのノウハウに関する専門会社プリスティーンと提携し、日本人向けに邦訳版マニュアルを使用したセミナーを毎月開催。日本から毎回20〜30人が訪れているという。彼らは日本に帰ってから専用ソフトウエアを購入して、DTを行なっている。
●銀行にお金を預けるのは、少数派
馬渕氏に日米の株式市場の違いを尋ねてみると、一言で「公正さ」という返事が返ってきた。「日本市場は、政治家が買っているから上がるという類の話が多く、チャートの分析がしづらい。大手の機関投資家の思惑で左右されるので、個人で対抗するのは難しい。米国市場は、規制などで厳格に公正さを保っているので、個人が安心して参加できる。流動性も高い」と語る。
こうした日米市場の違いは、資産管理の面にも顕著に表れている。日本の場合、年金は政府、貯蓄は郵便貯金や銀行といった感覚があるが、米国の場合は、年金はファンド、貯蓄は株式投資というように、自分達で資産管理をするという感覚が根本にある。同氏は「銀行にお金を預けると、米国では『君、考える力はあるの?銀行に儲けさせるのか』と言われる。この考え方の違いは外から見るよりも大きい」と語る。

●アジア市場は最大の市場に
それでも、インターネットの登場により、やる気さえあれば日本でも米国でも関係なしにDTが行なえるようになった。実際、株価の変動を伝える同氏のウェブサイトにアクセスするユーザーの90%が日本人で、夜中でもアクセスするユーザーが驚くほどいるという。同氏は「私がDTを始められたのもインターネットのおかげだ」と語る。
今後、NASDAQのような株式市場が、為替市場のように世界中で取引されると予測されているが、その中でもアジア市場は最大の市場になると見込まれる。日本では、現在のところDT会社は存在しないが、ネット接続コストの低下と、ネットベンチャーの増加により、日本でDTによる証券取引の大きなパラダイムシフトが起こることを同氏は期待している。「日本の場合、方向さえ決まれば動くのは早い」と語る。