August 26, 2004

ダイアローグ・イン・ザ・ダーク

[ Diary ]


 外苑前の梅窓院で開かれている
 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」
というイベントに行ってきた。「日常生活のさまざまな環境を織り込んだまっくらな空間を聴覚や触覚など視覚以外の感覚を使って体験する、ワークショップ形式の展覧会」なのだが、こんな暗闇体験したこともないよ〜と焦るほど暗い!

 上下、左右の感覚がない空間なんて初めてだったので、本当に不思議な感覚に陥る。10人1組で移動するのだが、後ろの人から背中を押されたり、手を掴まれたり、声がすぐ近くで聞こえたりと、既存の人間関係の距離感とか常識がまったく通用しない世界。そのうちだんだん慣れてくると、声と手の形などで、性別、だいたいの年齢などが分かり、人柄までもぼんやりと分かってくる。盲目の友人が、「目は見えなくても、声と雰囲気だけでその人が綺麗な人かどうか分かる」と言っていたが、それが少しだけ分かるような気がした。この場合の綺麗というのは、外見というよりもその人の持つオーラのようなものなのだ。

 ほかにも不思議なことがあった。暗闇のなかに入ってからしばらく経った頃、リーダーから「皆さん、いま何時だと思いますか?」と尋ねられた。感覚的にはほんの20-30分しか経っていなかったし、ほかの人達も口々に「30分」とか「20分」とか言っていた。しかし、すでに1時間が経過していたのだ。聴覚と触覚の世界では、時間と空間の感覚もまったく違うのに驚いた。

 ヌーベルブログにもこのイベントのことを少し書いたところ、同サイト編集の新野さんも観に行ったとのこと。いいものは口コミで広がっているのだなあと実感。

Posted by hiroko at August 26, 2004 01:13 PM | TrackBack
Comments

うらやましい。これ私も行きたいのですが、なかなか都合がつきません。日曜日からヨーロッパなので帰国後かな?と、思ったら帰国したら終わっている。無理して明日か明後日の当日券にトライしてみようかなぁ...(←maskinさんに聞いた裏技)

Posted by: nobi at August 27, 2004 04:00 AM

 ヨーロッパですかぁ、そっちがうらやましい〜。ダイアローグ・イン・ザ・ダーク、当日券をトライしてみるといいかもしれませんよ。

 そういえば、昨日、ペルシャ語のブログが急速に増えているといったような話をMaskinとしていたとき、ちょうどNobiさんの話が出てきました。Nobiさんはペルシャ語orアラビア語、フランス語、ドイツ語など5-6カ国語が堪能だというお話。今度、アラビア語でタイプするのを見たいです!

Posted by: hiroko at August 27, 2004 11:02 AM

ご要望にお応えして。Hirokoはهیروکو
Naganoはناگانو
ちなみに2文字目の破裂音でない「g」にあたる「گ」はアラビア語にはない、ペルシャ語ならではの文字です(たしか)

行きたかったダイアログ・イン・ザ・ダーク、疲労による不注意がたたってインターネット詐欺に...2倍忙しくなっていけないかも...

Posted by: نوبی at August 27, 2004 03:54 PM

おおーすごい。2月ごろアラビア語の資料を見せられたことがあって目が点になってましたが、アラビア語とペルシャ語の違いまでわかるとは!

ちなみに東京のダイアログ・イン・ザ・ダークには間に合わなくても、MacWorld San Franciscoで復活戦ができるかもしれませんよ。SFの科学技術館みたいなExploratoriumの中にTactile Domeというドーム状の部屋があって、やはり真っ暗と触覚だけの世界を体験できます。
http://www.exploratorium.edu/visit/tactile_dome/index.html

もうひとつ、SFにはAudiumという個人の運営している音響シアターがあるのですが、ここは半ドーム状の天井に169個のスピーカーが埋め込まれていて、暗闇の中での超サラウンド音響の演奏を聴かせてくれます。持ち主のStan Shaffはもう70代の人で、彼の作る音は60年代の実験的電子音楽はこういうものかもと想像させるものでした。
http://sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/chronicle/archive/2001/08/30/DD12439.DTL

Posted by: gt at August 27, 2004 07:46 PM

ناگانوさん、すみません。私のせいでDialog in Persianになってしまいましたね。
تاکاماさん、ご無沙汰です。私もExploratoriumは好きです。もっとも、いつも開館時間に行けないのですが...
そういえば先日、六本木ヒルズツタヤで、もしかしてという後ろ姿をみかけたのですがご本人?いつだったかなぁ... ;-)

Posted by: nobi at August 27, 2004 09:07 PM

おっと壁に目ありですね。もし水曜日の11:00pm前くらいだったら、たぶんそれは私ですっ! ちょっと打ち合わせの帰り道でした。CD売り場を通りかかったらあの日はちょうどビョークの新作発売日で、衝動買いしてしまいました。もしも真っ暗闇の中でビョークを聴いたらかなり圧倒されるかも、と思いました(こじつけ?/笑)

Posted by: gt at August 27, 2004 09:38 PM

ビョークといえばグルジェフ(と思うのは私だけ?)、グルジェフといえばペルシャ音楽やスーフィズムへの傾倒ということで、なんだかつながりありますね。

Posted by: hiroko at September 1, 2004 02:56 PM

スーフィーのくるくるコマみたいに回転するダンス、やっていると頭の中がアルタード・ステーツになるといいますよね。ちょっとだけ自分でやってみたことがあるけど、ある程度回転してると慣れてきて続けられるようになります。目が回るのは実は止まってからでした。立てなくなる(笑)

アルタード・ステーツといえば、10年近く前になりますけど、LA方面の私の知人にはイルカとのコミュニケーションの研究などで知られたJohn Lillyのフォロワーがなぜか多かったのです。Lillyは映画「アルタード・ステーツ」のモデルになったとも云われていますね。で、知人の中には自宅にフローテーション・タンクを持っている人も何人かいましたから、試させてもらったことがあります。真っ暗な中で水に浮いているのは面白い体験ですよ。

その知人の持っているのはLillyの使ったものと同じサイズ、同じ形のものを自作したものでした。高さと幅が1.5mくらい、長さが2.4mくらいです。映画の中でもフローテーション・タンクに入って暗黒の中で瞑想するところが何度も出てきますよね。あれと似た形です。また、もっと小さい棺桶型のタンクも$3000くらいで製品が売られているそうです。

水は海水と同じかやや濃いくらいに塩が入れてあるので浮きます。温度は人の体温よりはやや低いくらいにセットします。耳に水が入らないように耳栓して入り、フタを閉められるとホントに暗闇です。やはり時間感覚がなくなりました。ひとつ面白かったのは、浮いている間に筋肉が緩むためか、あちこちの間接も緩んでくることでした。浮いているだけなのにポキポキ音がしました。少し背が伸びたような気がしたけど気のせいかも。1時間くらいで外から知らせてくれましたが、出て来くるとボーっとしてその後は仕事にはなりません。知人も「タンクに入った後は車の運転はあぶない」と云っていました。
http://www.johnclilly.com/

Posted by: gt at September 3, 2004 01:53 AM

John Lillyについては、水口哲也さんから聞きました。LAに行ったときに初めてタンクを経験して、感覚が変わったとのこと。それ以来、日本にあるタンクを探していたのですが、2カ所あるらしいです。タンク体験してみたいです。

以前書いた水口さんの記事です:
 ゲーム業界に入ったきっかけは、著名なイルカの研究者ジョン・C・リリーが作ったフローティング・タンクだったという。浮力の高い硫酸マグネシウムの水溶液が入っているそのタンクは、人間と同じ体温で保たれており、そのなかに裸で浮かぶと外部からの感覚入力がゼロになる。水口は落ち着いた口調で「卒業間近に、LAで音も光も完全に遮断されたタンクに入りました。そうすると、すべての感覚が閉ざされて、意識の固まりになるんですよ。そのとき、直感的にモノを作らなければという強い意識を感じました。それで何を作るかを考えたとき、世界共通のメディアとしてゲームが一番いいと思ったのです」と語る。
 だが、セガに入社したときは、「ゲームは作りたくない」と主張した。当時のゲームが稚拙に見えたからだ。「時期が来たら作ろうと思って、それまではCG映像などをやっていましたが、それが逆によかったと思います」と言う。セガに入って4年後、初めてプロデュースした「セガラリー・チャンピオンシップ」は世界的な大ヒットとなり、体感ゲームは1200台以上が出荷された。

P.S. 水口さんのblog:
http://mizuguchi.biz/

Posted by: hiroko at September 5, 2004 03:54 PM

なるほどー、水口さんのインスピレーションはタンクでだったというのおもしろい。あの浮いている感覚は今思い出しても他のものとちょと違いますから。熟睡した後とも違うし、瞑想のとも違うし。でもヨガの呼吸法を使って瞑想していくと近い感じまでは行けるかも。

考えたら水口さんとは10年前くらいに名刺だけは交わしてました。どこかのマルチメディア(死語?/笑)関係の集まりでだったかも。その後Segaのゲームデザインの話題を聞くようになり、あの人の作だったのかと認識しました。

日本のタンクの話、やはり昔に何か記事読んだ記憶があります。日本には逆にアメリカでは一般的でないユニットバスというものがあるので、じつはフローテーションタンクみたいなことはし易いかもしれないですね。お湯に塩いれてドアに目張りして光を遮れば、けっこう近いものになる気がします。でも十分に足伸ばして寝られる長さのユニットバスってあるのかな? 丸くなって浮いてるのは変だし。

それにしても93年当時にJohn Lillyの影響受けてた人は多いですね。そのころJoiがインターネットの会社として最初に始めた「Eccosys」は、Lillyがインタビューなどで冗談めかして言っている「Earth Coincidence Control Office (ECCO: 地球偶然性管理局?)」から取っています。また今のwww.johnclilly.com/のサイトは、Eccosys初期からのメンバーでその後デジタルガレージにいるCyrus君がメンテナンスしてるようです。
http://www.tomigaia.com/ リンクが下の方にあるけど、これがなぜ富ヶ谷かというと、富ヶ谷のマンションの1室のお風呂場に128kbpsの専用線が引かれてEccosysが始まったところから来ています。昔話はこちら↓
http://joi.ito.com/archives/2002/10/14/picture_of_psinet_japan_pop_1994.html

それと、グラフィックアーティストでレイバーファッション・ブランドの「Anarchic Adjustment」や「H2O」をやっていたNick Philipもその1人でしょう。今でもNeotenyのロゴとかカラー名刺のデザインはNickの作です。
http://www.shift.jp.org/023/nickphilip/interview.html

Anarchic Adjustmentは東京にもお店を持っていて原宿に出した後に恵比寿西口に移りましたが、その恵比寿の場所では今はConnectedというお店が引き継いで似た傾向の服を置いてますね。3Fのお店に上っていく階段の入り口の横にはまだAnarchic Adjustmentを表す大きなAの文字が残っているかもしれません。
http://www.connectedtokyo.com/map.html

93年にはまだTimothy Learyも存命中だったから、Lillyと合わせて2人である種の精神的指導者のようにテクノロジーアート方面の人たちからは見られていた感じがありました。(周りがそう思っていただけかもしれないけど) ちょうどSF小説「Snow Crash」が発表されたばかりだったので、今考えるとそれってTechno Paganismの始まりみたいなものだったのかもしれません。でも今週末ネバダで開催されているBurning Manに集まるIT関係者の多さを考えたら、あながち外れてないかも。
Burning Man現地でのアート展示などの様子はこちら↓にいろいろ
http://images.burningman.com/

Posted by: gt at September 6, 2004 05:47 AM
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