September 19, 2004

Zony Mash:シアトルの音楽シーンが分かる1枚


渋谷のHMVで、なんとゾニー・マッシュのアルバム『FAREWELL SHOWS-SEATTLE WA』がジャズコーナーのトップに並んでいた。彼らはシアトルでは有名なジャムバンドだったが、昨年解散してしまった。このアルバムは、その名の通り、2003年12月のファイナルライブを収めたものだ。

ジャケットの写真は、シアトル北部にあるクラブ「レインボー」のステージ。レインボーは、ユニバーシティ・ディストリクト(ハイウェイI-5の出口45th Street近く)にある寂れたバーで、2階にはプールバーがあって不良のたまり場になっている。バーカウンターでpodを吸っている奴らがいると、マスターが怒って追い出すのだけど、翌日になると彼らはまたやってくる、そんな微笑ましい場所だ。

レインボーでゾニー・マッシュがプレイしたところは観ていないが、パイオニアスクエアにある古いクラブ、OK HOTELで観たことがある。ゆるいグルーヴとシアトル独特のダークな雰囲気に、一時期夢中になった。ジミヘンのスピリットがずっと息づいていて、どこか邪悪な感覚が、NYのジャズとは決定的に違う。

シアトルはニルヴァーナやパールジャムなどグランジで有名だが、90年代に入ると、クリッターズ・バギンやクラック・サバス、ゾニー・マッシュをはじめとする数々の実験的なジャムバンドが登場し、毎晩のようにレインボーやダウンタウンの大箱 SHOWBOX、フォーシーズンズの近くにある700 CLUBなどでプレイし、全身ピアスとタトゥーのヒッピーからフランネルシャツとドクターマーチンの8ホールという出で立ちのグランジキッズ、Tシャツ短パンの観光客まで多くのオーディエンスを集めていた。

さて、ソニー・マッシュのメンバーだが、ベースプレイヤーのキース・ロウは、クラック・サバスのベースもやっている。クラック・サバスといえば、超絶サクソフォニスト、SKERIGで有名。レインボーで彼らを見たときもSKERIGの超絶プレイがすごかった。彼はクリッターズ・バギンでもプレイしているし、ニューオリンズにも一時期住んでおり、ニューオリンズのミュージシャンともプレイしている。多才な人だ。

ハモンドはウェイン・ホーヴィッツ。彼は全米でよく知られたキーボード奏者。ティム・ヤングはちょっと変わったギタープレイヤーで、ビル・フリゼル系。ビル・フリゼルはシアトルで生まれ育ったギタリストで、彼も先月ニューアルバム『Unspeakable』をリリースしている。

『FAREWELL SHOWS-SEATTLE WA』に戻って、このCDの中身はというと、レインボーでプレイした2セットが2枚組CDとして収められている。シアトルのクラブはたいてい1stセットが8時半か9時から始まり、2ndセットは夜中の1時半までには終わる。なぜかというと、ワシントン州法で、クラブの営業は夜中の2時までと決まっているからだ。このアルバムも、長い1stセットのあと、ジョイントでキメキメになって、2ndセットをプレイしている(ような気がする、というか、きっとそうだろう)。シアトルのジャム系好きにはオススメだと思う。

それにしても、休憩時間には観客もミュージシャンも外に出てpodを吸っているし、レインボーの周囲はモクモク状態。よく捕まらないよな〜とヘンに感心した記憶がある。

Posted by hiroko at September 19, 2004 04:58 PM | TrackBack
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