September 22, 2004

ジョン・ギルモア VS アッシュクロフト

gt さんから:


FAAのGilmore vs. Ashcroftケースも 9th Circuit Courtで新たに始まったところで進展が興味深くなってきまし た。

飛行機の搭乗拒否をめぐるジョン・ギルモアとアッシュクロフトの裁判については、このページで詳細を読むことができる。日本語ではarai blogに詳しい。

民主党のデニス・クシニッチ元米大統領候補がレッシグ教授のブログに書いていたように、問題は誰がどんな基準でブラックリストに載っているかが分からない点だ。

大統領選の候補者として、私はなぜいつもチケットに要注意人物を意味するSSSSを印刷され、特別に厳重なチェックを受ける列に並ばされているのかを毎回周囲に説明する羽目に陥っている。運輸保安局の人間が、この決定はコンピュータによって行われていると教えてくれた。一体だれがプログラムしたのか知りたいものだ。アッシュクロフトか?

NHKの911特集でも、イスラム系の名前というだけで飛行機の搭乗チェックリストに掲載されてしまい、出張に行くたびに検査され大事な会議に遅刻したり多大な損害を被っている人のインタビューが紹介されていた。「テロ警備体制の厳しさが日常生活にも影響をおよぼし始めており、自由の国の象徴だったアメリカが監視国家になりつつある」とニュースキャスターが言っていた。まあ本当にいぜんアメリカが自由の国だったと思っている人は少ないと思うが、、。

私もアメリカの入管で呼び止められ、1時間ほど足止めを食らって尋問されて嫌な思いをしたことがあり、そのときもうアメリカには二度と行きたくないと思った。私の場合はVISAの関係なので、今回のチェックリストとは違うけど、もし厳重チェックリストを作るんなら、それがどんな基準で作られたかを明確にしないと、クシニッチのようにな人が大勢出てきて、政府に対する不満が募り逆効果になりかねないと思う。

Posted by hiroko at September 22, 2004 02:20 PM | TrackBack
Comments

Gilmoreの今回の裁判は「国内で飛行機に乗るのにIDを見せることを強要する秘密の法律は何かあるのか?」を争点としていて、9th Circuit Courtに場所を移しての第2回戦です。第1回戦は昨年から連邦裁判所で進めてましたが、DoJ側が「秘密の規則は連邦裁判所の管轄外」と主張したためdismissされたので1レベル上の巡回裁判所で再開したわけです。昨年1月にSFの連邦裁判所で公判があったときは私も傍聴に行きましたよ。
GilmoreのケースはWiredのこの記事↓に流れがによくまとめられています。
http://www.wired.com/news/privacy/0,1848,64599,00.html
(HowWired Japanのニュースでは訳されてないですね...残念)

No Fly List問題の方は、21日の火曜にポップシンガーCat Stevensがアメリカ入国拒否された話題で再燃していますね。AP newsなどによると、彼は5月にもアメリカに来ているにも関わらずなぜか今回は入国拒否、しかもLondonからの飛行機はメイン州のエアポートに予定外着陸して彼を引っ張りだし、尋問したあげくイギリスに送り返したそうです。しかし同行していた彼の娘は何もなくそのままアメリカ入国できたということです。

アメリカのTransportation Security Administrationは、Unitedが彼を乗せてLondonを飛び立たせたことを非難すらしてる模様。しかし、彼がテロリストの活動に資金提供していた疑いがあるためアメリカ国家安全保障の脅威となるからWatch Listに載ったのだという主張以外は、何も明解な説明をしていません。

Cat Stevensは70年代にポップシンガーとして一世を風靡しましたが、実際の生まれの名前はStephen Demetre Georgiou、しかし70年代後半に音楽活動を止めイスラム教に改宗しYusuf Islamと改名しています。1983年にはLondonにIslamia Primary schoolを設立、その学校は1998年にはイギリスで最初に政府のサポートを受けたイスラム教学校になったそうです。また近年、旧作品を再発売して、その印税の半分を9/11被害者遺族に寄付したりしていました。昨年は彼の70年代のヒット曲「Peace Train」を再録音しアメリカ主導のイラク侵略に反対する意思を表しているそうです。

http://hosted.ap.org/dynamic/stories/P/PLANE_DIVERTED?SITE=AP&SECTION=HOME&TEMPLATE=DEFAULT

http://www.miami.com/mld/miamiherald/news/world/9745871.htm?1c

http://www.islam-online.net/English/News/2004-09/22/article05.shtml

最近のアメリカ政府の出してくるテロ対策を謳うデータベースに偏重したセキュリティ施策について、セキュリティ専門家Bruce Shneierが「これらはセキュリティ劇場だ」と批判を続けていますが、私もかなり同意見です。ようするに、セキュリティのように見えるが本気で攻撃してくるテロリストを止めることができないシステムであり、偽の安心感を人々に与えてるだけだ、ということです。

Posted by: gt at September 24, 2004 11:31 PM

『大統領選の候補者として、私はなぜいつもチケットに要注意人物を意味するSSSSを印刷され、特別に厳重なチェックを受ける列に並ばされているのかを毎回周囲に説明する羽目に陥っている。』
このデニス・クシニッチの発言は日本人でも無縁なものではありません。とある日本企業の調査の仕事で今アメリカを廻っていますが、その企業からの参加者の人で1人毎回SSSSを搭乗券に印刷される人がいて、エアポートでいつも身ぐるみチェックされる目にあっています。その人は名字が「田中」さんという日本でもっともポピュラーなものの一つだし名前もふつーに日本名なので、一体何がトリガーになっているのかよくわかりません。

Yusuf Islamの件の時に言われていたいように、アラートを出すソフトウェアが登録されている類似の名前から推測しているのだと思いますが、文字の配列に何か加えると登録されているものに似てくるのかもしれません。たぶんGoogleなどの検索エンジンやAmazonのrecommendationエンジンのレベルに達していないのでしょう。しかしこの種のテクノロジーは実際にはその効果とあわせて再検討するべきものだと思います。間違ったアラートが増えれば増えるほど効率が落ちているということですから。US-VISITといい、アメリカ政府はテクノロジー過信に進んでいる気がします。

Posted by: gt at October 4, 2004 12:34 PM

日本人でも要注意人物にさせられてしまっている人がいるのですね。いぜん、米国を観光中の中国人女性が麻薬犯罪グループの一員に間違えられ、警察からいきなり暴行を加えられた事件があり、中国で数々の怒りのデモが開催されました。この飛行機の搭乗チェックや搭乗拒否も、度が過ぎると国家間の問題に発展しかねない危険性があると思います。

テクノロジーもそうですが、人権意識に対するダブルスタンダードがひどくなっているような気がします。同じ価値観を共有できない人には容赦ないというか、だんだん余裕のない国になっているのでしょうか。

そういえば、先月30日に行われたブッシュ大統領とケリー候補の第一回政策討論会を観ていたのですが、北朝鮮の問題を討論していたときに、ケリー候補が「米国自身は核兵器を増強しながら、北朝鮮に核の放棄を説くのは矛盾している」といった主旨のことを言っていました。なんだか久しぶりに謙虚なアメリカ人の発言を聞いたなあと感動ました。:P

Cat Steven、モスリムになっていたのですね。知りませんでした。政治的発言を積極的に行うアーティストや音楽家は歴史的に政府にマークされるというのは避けられないにしても、やり過ぎですよね、、。

Posted by: hiroko at October 4, 2004 09:48 PM

ついに一般紙Pittsbough PostGazzetにもこの件の記事が出ました。わりと長いですけど、Gilmoreの子供の頃の話からSunのNo.5になり今に至る経歴まで詳しくかかれていて興味深いです。
http://www.postgazette.com/pg/05058/462446.stm

この記事から、すでにSlashdotにスレッドが立って議論になっていますね。
http://yro.slashdot.org/article.pl?sid=05/02/27/2314214

Posted by: gt at March 1, 2005 03:09 AM
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