September 21, 2001

Macworld Expoレポート

AppleMasters基調講演:Mac愛好家の団結強まる



 ニューヨークで7月8-10日に開催された「Macworld Expo」の目玉イベントとして、初日午後、各業界を代表する有名人による「アップルマスター(AppleMaster)」の基調講演が行われた。熱烈なマック愛好家として、ダンサーであり俳優でもあるグレゴリー・ハインズ(Gregory Hines)、アーティストのポール・デイビス(Paul Davis)、音楽家のデビッド・マッシュ(David Mash)、ゲーム開発者のダグラス・アダムス(Douglas Adams)、写真家のハワード・ビンガム(Howard Bingham)、3Dアニメーターのジム・ロドキー(Jim Ludtke)、天体物理学者であり音楽家のフィオレラ・テレンジ(Fiorella Terenzi)、コメディアンのシンバッド(Sinbad)がステージに登場し、各人の得意分野を披露した。

 まず、最初に登場したグレゴリー・ハインズは、得意のタップダンスを披露し「マックはダンスと同じだ」、「俺はマックマンだ。マックがなければタップはできない」と踊りながら語った。ハインズは「ソフィストケイティッドレディ(Sophisticated Ladies)」、「ユービー(Eubie)」、「カミン・アップタウン(Comin' Uptown)」を始めとする多数のブロードウェイショーに出演し、1992年には「"ジェリーロール"モートン("Jelly Roll" Morton)」でトミー賞男優部門の最優秀賞を受賞し、俳優としてのトップの地位を確立した。映画では、「レイジ・イン・ハーレム(Rage in Harlem)」、「コットンクラブ(Cotton Club)」、「タップ(Tap)」、「ホワイトナイツ(White Nights)」、「ため息つかせて (Waiting to Exhale) 」などにも出演、1994年には「ブリーディング・ハーツ(Bleeding Hearts)」で映画監督としてもデビューしている。

 次に登場したポール・デイビスとデビッド・マッシュは、マックにより可能となったオーディオ、ビデオ、プリントを融合したデジタルメディア・クロスオーバーの実演デモを行った。デイビスはマックを使用したドローイング風のアート映像を披露し、マッシュはその映像のイメージに合わせて会場でキーボードとマックのMIDIシステムで音楽を作った。映像に合わせた素晴らしい音楽を数分間で作成したマッシュは、会場から大きな喝采を浴びた。

 デイビスは「最初にマックを見たときは衝撃的だった。この素晴らしい小さなボックスがホットタイプ(ホットメタル)やライノタイプ、その他すべての印刷技術に代わるとすれば、業界の大変革になるだろうと思った。今ではそれが現実になっている」と語った。当時、同氏は「Wig Wag」という雑誌を出版していたが、マックIIとアドビのページメーカー(Adobe PageMaker)を使用してレイアウトを作成することで、少人数、低予算での雑誌編集が可能になった。同氏は「グラフィックデザインに長年携わっている者にとって革命的な第二の波はフォトショップ(Photoshop)だ。これにより、デザイン、タイプ、ページレイアウトに加えてイメージを編集できるようになった」という。またマックにより、ドローイングを使用して以前と異なるやり方でアニメーションを作成できるようになり、より効率的で素早いビデオやアニメ制作が行えるようになったという。

 マッシュは、ローリングストーン(Rolling Stone)誌が「音楽とテクノロジーの融合におけるエバンジェリスト」と絶賛する、音楽とマルチメディアの可能性を広げたパイオニア的存在である。音楽や教育分野でマックを駆使した創作活動を展開するマッシュは、国際クイックタイム映画祭(International QuickTime Movie Festival)でベストドキュメンタリー賞を受賞したデジタル映画「Maria Lionza」の音楽を担当している。マッシュはまた、ボストンの名門校であるバークレー音楽大学(Berklee College of Music)で、米国初のデスクトップ音楽(DTM)の4年制コースを開講した。250台のマックを同大学のラボに設置したというマッシュに対して「なぜマックか?」と質問したところ、「MIDI分野では柔軟性があるマックを使用するのが一番で、生徒もマックの方を好んで使用している。以前はラボにウィンドウズを置いたが、生徒は誰も使用しなかった。現在、大学にあるウィンドウズは事務用のみ」との答えが返ってきた。マッシュは現在、アドビ、デジデザイン(Digidesign)、オプコード(Opcode)、コルグとアートプロジェクト開発を行っている。

 ゲーマーに熱狂的な人気のダグラス・アダムスは、同氏の最新ゲームタイトル「スターシップ・タイタニック(Starship Titanic)」のビデオを披露した。現在、デジタルビレッジ(TDV)のチーフファンタジストを務めるアダムスは、ゲームタイトル「ヒッチハイカーズ・ガイド・トゥ・ザ・ギャラクシー(The Hitchhiker's Guide to the Galaxy)」、小説「ダーク・ジェントリー(Dirk Gently)」シリーズで有名。「最近、PowerPC 9600/233を購入したが、マシンをISDNに接続して使用し始めるのに15分しかかからなかった。マックはまた、必要なすべてのアプリケーションを走らせても驚くほど速く、他の製品より段違いに優れている。しかし奇妙なことに、マックはベンツやBMWのように他の製品より段違いに高くはない」と語る。また「(『明日に向かって撃て!』の)ブッチ・カシディ(Butch Cassidy)と同様、私は美に対して金を支払っている」とも語った。

 30年以上にわたりアメリカの歴史的なターニングポイントを撮り続けてきたハワード・ビンガムは、同氏の撮った厖大な数の写真の一部を公開した。ビンガムはとくに、世界中で親しまれているモハメド・アリ(Muhammad Ali)との親交が深く、アリがバングラデシュやアフリカ諸国へ旅行した際、そのほとんどに同行してアリの写真を撮っている。ビンガムはまた、アメリカで公民権運動が吹き荒れた動乱の60年代、多数の大都市の暴動の模様を写真に収めており、これらの写真の多くはライフ、タイム、ピープル、ニューズウィーク、エボニー誌などに掲載されている。

俳優のリチャード・ドレイファス(Richard Dreyfuss)氏は、当日会場には現れなかったが、ビデオで登場し「PCを使っているときには感じないが、マックを使っているときには友人がそばにいて私を助けてくれているような気がして、仕事が1000倍はかどる」と語った。ドレイファスは、映画「アメリカン・グラフィティ(American Graffiti)」でメジャーデビューを果たし、70年代にはスティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督作品の「ジョーズ(Jaws)」で主役の一人を務めている。77年に「グッバイガール(Goodbye Girl)」でオスカーの最優秀主演男優賞を受賞、「スタンド・バイ・ミー(Stand By Me)」にも出演し、95年の「陽の当たる教室(Mr. Holland's Opus)」では最優秀主演男優賞にノミネートされている。

 テクノロジーを駆使して夢のようなイメージと、シューリアリスティックな世界を生み出すジム・ロドキーは、優れた頭脳がどこまでサイバー世界を表現できるかという可能性を追求する優れたアニメータだ。マルチメディアに革命をおこしたCD-ROM作品「フリークショー(Freak Show)」と「バッド・デー・イン・ザ・ミッドウェイ(Bad Day on the Midway)」は、西海岸のアーティストグループ、レジデンツ(The Residents)との共作によるもので、いまだにトップ10タイトルに入るほどの人気ぶりだ。ロドキーはデジタル・ドメイン(digital domain)での長年の経験を経て、86年からコンピュータイラストレータとして任天堂、アブソリュート・ウォッカ(Absolut Vodka)、ニケロディアン(Nickelodeon)とのプロジェクトを行ってきた。ロドキーは現在、3Dパペット技術を使用したアニメーション人形をデジタルで撮影した背景セットに登場させる「Dr. Colossus」を制作中。ミニチュアの登場人物が、巨大な世界のなかで四苦八苦する様子をコミカルに描いたこの作品は、実在と仮想を融合したロドキーの試みの最新作品となる。

 天体物理学者であり音楽家でもあるフィオレラ・テレンジ博士は、天体が発する電波を音に変換する技術を使用して作った音楽をステージで演奏して、拍手喝采を浴びた。ミラノ大学で物理学の博士号を持つ同氏は、大学で数学と物理学を教えているが、その一方でオペラと作曲も学んでいる。テレンジは、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)コンピュータ・オーディオ・リサーチ・ラボで先述の電波変換技術を開発し、この技術を使用してアイランドレコード (Island Records) からCD「ミュージック・フロム・ザ・ギャラクシー(Music from the Galaxies)」を発表した。また、96年に発表したインタラクティブCD-ROM「インビジブル・ユニバース(Invisible Universe)」は、シグキャット・マルチメディアCD-ROM技術賞を受賞している。

 最後に登場したコメディアンのシンバッドは、最初から最後までアップルに関するジョークの連続で会場を爆笑の渦に巻き込んだ。最初にマックが登場したときからのマック愛好家というシンバッドは「とにかく、部屋のなかにマックがあることがクールだったんだ。友だちが家に遊びに来て、これは何?と聞いたときに『マックさ』と答える快感がたまんなかったよ」と早口でまくしたてた。また、観客からの「シンバッドのブラウザ・オブ・チョイスは何?」との質問に「昔はナビゲーター一筋だったが、最近のナビゲーターはゴチャゴチャいらないものばっかりで使いにくい。それに比べて最近のIEは使いやすくなってきた」と答え、IEを使用していることをほのめかした。これは、午前中に行われたスティーブ・ジョブズ氏の基調講演で、ジョブズ氏を始めとする講演者すべてがIEを「ブラウザ・オブ・チョイス」と語ったエピソードにもとづくもの。

 アップルでは、各業界を代表する50人の有名人を「アップルマスター」として認定し、同社サイト(http://applemasters.apple.com/masters/home.html)でこれらのアップルマスターたちを紹介している。その他のアップルマスターには、音楽家のブライアン・アダムス(Bryan Adams)、俳優のリチャード・ドレイファス(Richard Dreyfuss)、映画監督のシドニー・ポーラック(Sydney Pollack)など多数の著名人が名を連ねている。

('98/7/8)
[Reported by HIROKO NAGANO]

Posted by hiroko at 01:51 PM | Comments (0) | TrackBack (0)

iMac発売日レポート

人気絶頂のiMac:多くは予約待ち状態に

 マンハッタンのあちこちに見られる大きな垂れ幕で馴染みの姿になったiMacは、発売日から爆発的な売れ行きをみせた。CompUSAニューヨーク支店では発売日にこれまでにない多数の客がMacコーナーに集まり、店舗に置かれた60台のiMacは完売、その後は予約待ちの状態になった。また、7つの店舗を持つComputer Town(Salem, N.H.)では500台の予約があり、RCS Computer、J&Rでもすべて売り切れ状態になったという。ニューヨークとロングアイランドに店舗を構えるDatavisionでも、2日間で1000人以上が店舗を訪れ、200台以上あるiMacの在庫はすべて売り切れになった。

 とくにCompUSAでは、予約者に無料で800ドル相当のiMac周辺機器やソフト購入用クーポンを提供するという大々的なiMac販売キャンペーンを行っており、iMacの発売日売上は1日に売り上げたコンピュータの販売額としては過去最高を達成したという。この驚異的なiMacブームのなか、CompUSAのiMacオンライン予約システムには、多少の問題も報告された。ある大手商社の日本人駐在員である南一哉氏は「予約を事前に行っていたにもかかわらず、当日CompUSAに行ったらすべて売り切れで、次の入荷はいつになるか分からないと言われました」と語った。同氏は後日、たまたまキャンセルされたiMacを買うことができたという。


 デザインのよさ、低価格、高性能が購入の決め手というiMac購入者のほとんどは、iMacをホームユースやスモールビジネス用に使用するとしている。調査によると、購入者の18%がMacを購入したのは初めてで、コンピュータの初回購入者も多数にのぼったという。DatavisionのBruce Robertson広報担当は「DatavisionでiMacを購入した人の多くが、パソコンの初回購入者だった」と語った。
('98/8/15)
[Reported by HIROKO NAGANO]

Posted by hiroko at 01:50 PM | Comments (0) | TrackBack (0)

'98 Fall Internet Worldレポート

OracleのLarry Ellison会長、iMacがクラッシュしている間もMSを批判


 OracleのLarry Ellison会長は10月7日、Internet World初日の基調講演で、ステージに設置されたiMacを使用して同社の最新製品である「Oracle 8i」のデモを行なった。同氏はまた、現在コンピューティング業界はMicrosoftを中心としたクライアント/サーバ環境からインターネットを中心とした「インターネット・コンピューティング環境」に移行しつつあり、「未来はMicrosoftではなくインターネットにある」と宣言した。
 Ellison会長は「クライアント/サーバ環境は、ネットワーク範囲が狭くスケーラビリティに欠けるうえ、高速接続を要求する。また、インストールや管理に莫大な時間とコストがかかるなど、複雑で非効率だ。しかし、ひとつのブラウザがあればどこからでもアクセスできるインターネット技術を使用すれば、容易に広範囲のネットワークが構築でき、管理コストの削減にもつながる」と語った。


 同氏は、ウェブサーバが統合された最初のデータベースであるOracle 8iが、新たなコンピューティング環境の主役になると期待している。Oracle 8iは、インターネットでのビジネス間のデータ・シェアリングなどを簡単に行なうために設計されており、「どのJavaプログラムにも対応し、1万人のJavaユーザーをサポートしている」という。また、幅広いファイル・タイプに対応するドラッグ&ドロップ機能もついており、Oracle 8iのデータをモバイル機器に移動して、移動したデータをオフライン処理することもできる。
 Ellison会長は、9月14日にニューヨークで行なわれたOracle 8iの製品発表の際にも、iMacを使用してデモを行なった。同社国際マーケティング部門のMark Jarvis上級副社長は、iMacを使用する理由として「iMacは高性能で低価格なうえ、インターネットに最適化されたマシンだ。Javaで書かれた世界初のインターネット・データベースのデモは、インターネットに最適化されたマシンで行なうのがふさわしい」と語った。

 しかし、Ellison会長が基調講演でデモを行なった際、途中でiMacがクラッシュするというハプニングも起こった。同氏は「PCを使うのは大嫌いだが」と言いながらも、最後にはPCを使用してデモを行なった。しかし、iMacがクラッシュしている間も同氏は「クライアント/サーバ環境は非効率性である」と繰り返し、インターネット技術を使用したビジネスモデルに移行すべきだと主張した。NCをインターネット・コンピューティングという言葉にうまく置き換えたEllison会長は、最後に「我々のデータベースは、すべてのトップサイトで使用されている。我々がインターネットの基盤を築いたのだ」と語った。
('98/10/07)
[Reported by HIROKO NAGANO]

Posted by hiroko at 01:50 PM | Comments (0) | TrackBack (0)

Comdex/Fall '98レポート

「オープン」性を求める傾向が顕著に

 世界最大のコンピュータおよび消費者家電の展示会「Comdex/Fall '98」が、Las Vegasで11月16日から19日まで開催された。主催者側の発表では、今年の出展企業は2400社、来場客は約22万人となっているが、実際の数字はこれよりかなり少なかったとされている。企業間取引がインターネットで簡単に行なえるなどの状況の変化により、展示会への企業の出展傾向は毎年薄れている。今年はIBM、Compaq、Intelなどの大手が出展を控え、IBMは関係者だけを招いてホテルで懇談会を開き、Intelも個別にチュートリアルを開催した。
 一方、展示会場でのもっとも大きなトレンドは、ハンドヘルドPC、PPC、インテリジェントペイジャーなどのモバイル製品だった。その他、ホームネットワーキング、バイオメトリクスや音声認識技術、安価なフラットパネル、Micorosoftの最大の脅威とされているLinuxに大きな注目が集まった。また、MicrosoftがSun MicrosystemsのJava訴訟に敗訴したことも、会期中の大きな話題となった。


●基調講演はただの「PR」に?

 Comdex基調講演は、ただの「PR」になりつつある。今年も前夜祭の基調講演を務めたMicrosoftのBill Gates会長兼CEOは、ソフトウエア、ハードウエアの進化とともにPCがネットワークの中心として今後も重要な役割を担うと語った。しかし、会期中に発表された同社のリレーショナルデータベース「SQL Server 7.0」の説明にかなりの時間を費やし、ビジョンを語るというよりはPRの感が否めなかった。
 さらに、初日の基調講演では、当初の予定にはなかったOracleのLarry Ellison会長が登場した。Microsoftを目の敵にする同氏は、SQL Server 7.0の処理速度の遅さを繰り返し批判、データベース市場でのOracleの絶対的な優位を改めて強調した。また、「Oracle8i」を中核とした新たなサーバパッケージ「Raw Iron」を発表した。これは特別なOSを含み、標準ハードウエアに対応しているため「現在持っているWintelマシンにインストールでき、Windows OSを不要にする」という。
 一方、PRに走るこれらの基調講演の中で点数を稼いだのは、IntelのCraig R. Barrett社長兼CEOだった。「テクノロジー業界のタブー」に挑んだ同氏は、米人気番組「Politically Incorrect」をもじった「Technologycally Incorrect」ショーのパネリストとしてステージに登場した。ショーの途中で、議題がPC普及率の伸び悩みにおよぶと、Barrett氏は「PCの普及は、子供を持つ家庭に支えられている。我々は(年寄りの)君たちが死に絶えるのを待っているのだ」とジョークを放ち、会場を沸かせた。


●チップの埋め込まれたポスターが登場

 展示会場でとくに注目を浴びた企業はXeroxだった。「印刷物とデジタルコンテンツの融合を図る」企業としての新たなイメージアップを図る同社は、今年がチャンスとばかりにフットボール場の約半分のフロアを展示に費やした。来年には約20もの新たなサービスを発表すると意気込む同社は、同社の研究開発センター、PARCラボで現在開発中の新技術「Smart Staple」を発表した。これは印刷物にチップもしくはコードを埋め込むことで、その印刷物に含まれた情報をハンドヘルドPCに直接ダウンロードできるというもの。これにより、たとえば街に貼られたコンサートのポスターを見て興味を持てば、自分のPalm IIIをポスターにかさずだけで、これらのコンサートの日時や場所、チケット情報が含まれたウェブサイトに自動的にリンクすることが可能になる。また、そこからチケットをオンライン購入することもできる。


●音声認識が実用段階に


 コンピュータのインターフェースが人間に近づきつつある。Motorolaからは、セキュリティ向けの音声認識機能の開発キット「cipherVOX SDK」が発表された。これにより、デベロッパーは簡単に開発中のソフトウエアに音声認識セキュリティ機能を組み込むことができる。同社はその他、音声機能をWebに提供する「VoxML」技術のデモを行なった。VoxMLは、音声ブラウザを開発するための言語であり、HTMLの音声バージョンと言ってもいい。同社広報は「これにより、屋外や車内などインターネットにアクセスできない環境でも、ユーザーは電話でサイト情報にアクセスできる。現在、Weather ChannelやCBS Stock Market、BizTravelなどのサイトと、VoxMLを使用した音声サービスの話を進めている」と語った。同社では、音声認識技術にはNuance Communications、テキストスピーチ技術にはAccuvoiceを使用している。Motorolaは現在、音声アプリケーション開発のオープンプラットフォームとして、VoxMLの標準化を提案している。
 一方、Lernout and Hauspieは、スピーチ機能のついたバーチャルペット「Talking Max」を発表した。これはスクリーンセイバー上のバーチャルおうむで、質問に答えたり飛び回ったりすることができる。


●人々は「オープン」の方向へ

 今年のComdexは、人々の「オープンソースコード」に対する期待感を大きく反映したものとなった。Linuxパビリオンには多くの来場客が訪れ、Linuxベースのシステム構築を真剣に学んでいた。Red Hatや他の企業からLinux OSの各種バージョンが販売されているが、これらはいずれも15ドル以下と非常に廉価である。また、Applix、Pacific HiTech、S.u.S.E.などはいずれもLinuxベースのビジネスアプリケーションを展示、人気を集めていた。OracleもLinux向け同社データベースを無料で配布するなど、大手ソフト開発企業の多くがLinuxを支持している。今後、Linuxベースのシステムを導入する企業が飛躍的に増加することが予測されている。

('98/11/19)
[Reported by HIROKO NAGANO]

Posted by hiroko at 01:49 PM | Comments (0) | TrackBack (0)

Java Business Expoレポート

「Java 2」の登場でJava本格化:様々なJava家電も登場


 ニューヨークで12月8日から10日まで開催された今年のJavaテクノロジーの展示会「Java Business Expo」には約250社が出展し、Javaの着実な成長ぶりを象徴する展示会となった。8日はSun Microsystems主催によるイベントが開かれ、「Java 2」(JDK 1.2から改名)の正式発表が行われた。Java 2は、JDK 1.1と比較するとセキュリティ、安定性、速度面でかなりの向上が見られる。また、新たなライセンスモデルも明らかにされた。これは、JavaソースコードをSunサイトから無料でダウンロードして自由に使用できるが、バイナリコードで製品化する場合には、Java互換性テストを通過し、Sunにロイヤルティを支払う必要があるというもの。Java SoftwareのAlan Baratz社長は「新たなライセンスモデルの主旨は、あくまでJavaコミュニティを作ることだ」と語る。一方、「JavaをISOなどの機関に完全に手放すべきだ」と主張する声も聞かれた。

 9日午後の基調講演では、アップグレードならぬ「サイドグレード」を訴えるSunのScott McNealy CEOが、「Java 2とNetscapeのCommunicatorをダウンロードして、これを標準デスクトップ環境にせよ」と主張した。同氏はまたJavaベースの新技術「Jini」の正式発表が来年1月25日になると語った。「Jini」とは、必要な情報をネットワークから自動的に取ってくる「エージェント」をデジカメなどのデバイスに組み込むことで、デバイスドライバがないPC上でもネットワークにつながっていれば、そのデバイスを動作させることができるという技術。また、ホリデーシーズン間近なこともあり、「クリスマスツリーにかけたくないトップ10リスト」で「MicrosoftのBill Gates著の本『記憶にない電子メール』」とジョークを飛ばし、会場を笑いの渦に巻き込んだ。


 会場では多くの企業が最新Javaアプリケーションを紹介していたが、Sunでは一風変わったJava家電を展示していた。小型デバイス用JavaOSの「PersonalJava」を搭載したSumsung製のWebビデオ電話、Javaアプレットの走るスマートカード「JavaCard」、「Java Embedded Server」を搭載したコカコーラの自動販売機やコーヒーメーカーなどに人気が集まった。また、「JavaStation」を使用した銀行窓口システムやPOSシステム、クレジットカードの支払いや製品購入などができる「NC Kiosk」など、NCの幅広い使用法も提示された。

 一方、Hewleet Packard(HP)は、組込用VM「ChaiVM」のデモを行なっていた。玄関や窓、ガレージのドア、カメラにChaiVMを組み込みネットワークでつなぐことで、たとえば会社のデスクトップから家の状況を確認したり、窓が開いたらアラームが鳴るように設置することもできる。また、元Appleの社員2人で設立したZero G Softwareでは、Javaで書いたアプリケーションを自動的にUNIX、Windows、Solaris、Macなどのプラットフォーム用にコンパイルしてくれる「InstallAnywhere」を展示していた。同ソフトはJavaWorldの受賞製品。これにより、「一度書けばどこでも走る」アプリケーションが実現する。誕生から4年目を迎えるJavaがいよいよ実用段階に来たようだ。


('98/12/10)
[Reported by HIROKO NAGANO]

Posted by hiroko at 01:48 PM | Comments (0) | TrackBack (0)